前月 逆髪を創り今月「 蝉丸」が何とか完成しました。 並べてみて「能 蝉丸」の姉(逆髪)と弟(蝉丸)に見えるでしょうか。
延喜帝(醍醐天皇)は盲目の第四皇子・蝉丸を逢坂山に捨て、出家させよと命じる。 蝉丸は、わが身の後世を思えばと承諾する。髪を落とし、蓑、笠、杖を受け取り、ひとり山に残される。 蝉丸の住まいにと藁屋を用意される。
一方、天皇の第三子であり、蝉丸の姉である逆髪(さかがみ)は、生まれつき逆立った髪をもち、狂人と化し、放浪者となっていた。ある日、山の藁屋から琵琶の音が聞こえ、訪ねてみると、それは弟の蝉丸であった。二人は我が身の境遇を語り合い、慰め合う。しかし、それぞれの運命に従い、涙ながらに再び別れの時を迎える。
何故そのまま一緒にいないのだろうと思うのですが、この別れがより悲しみの余韻をもたらす。 姉はまた別の過酷な運命に従って生きているのでしょうか。